スネアドラムの特長
ウッドシェル
どんなドラムの音もシェルが基本。すべてのヤマハシェルは、可能な限りのすばらしい材料を集めることから始まります。厳選された最高の木材は薄い板に加工され、ヤマハ独自のエアシール方式により、何層かのシェルに精密に成型されます。一定の空気圧の中で密封されるため、すべてのシェルは、限りなく均一の厚さの真円に近づき、すばらしい耐久性と優れた音質を生み出します。ダイナミックで豊かな、ぬくもりのある音を出すメイプルカスタム・アブソルート(6プライ)、「Vシリーズ(4プライ+レインフォースメント6プライ)」、「Sシリーズ(7プライ)」の3つの「メイプル」シェル。安定感のある高音域を持ち、シャープな音を生む「バーチ」シェル(6プライ)。シャープでバランスが良く、個性的な音を生む「ビー� �」シェル(8プライ:SignatureのSDWSD13AJ、WSD1455SEのみ)、硬質なオーク材(ナラ)を使用し芯のはっきりした低音を生む「Lシリーズ(8プライ)」、「オークカスタム(6プライ)」の2つの「オーク」シェル。いずれもそれぞれの材質の特性を引き出した個性的なスネアシェルです。
メタルシェル
すべてのメタルスネアシェルは、真円で、正確なエッジとスネアベッドを持っています。厚さはスティールで1.2mm、ブラスとカッパーは1.5mm、アルミニウムは2.0mmとなっています。それぞれ、個性的な優れた音と耐久性を備えています。豊かで幅があり、バランスのとれた鮮明な音を出す「ブラス」シェル。コンサート用にも十分な柔軟性を持ち、銅特有の重低音かつハイレスポンスなサウンドが特長の「カッパー」シェル。そして「スティール」シェルは、シャープでソリッドな音と、ブラスよりやや長めのディケイが特長。また「アルミニウム」シェルはスティールより軽快で、明るく切れのある音質が特長です。
メタルフープ
フープはスネアドラムの音に重要な役割を果たします。スティール、アルミニウム、亜鉛の3種類の素材と、ロールフォーミング、ダイカストの2種類の製法により、全部で4種類の異なるフープが用意されています。シェルとのマッチングやスネアドラムの性格付けを考慮して、それぞれのフープが選択されています。
トリプルフランジフープは1.6mm厚のスティール製で、スタンダードなオールラウンドタイプ。2.3mm厚のダイナフープは、よりシャープで切れのいいアタックを引き出します。3.0mm厚の亜鉛ダイカストフープとアルミニウムダイカストフープは、パワフルなアタック感とシャープなディケイ感が特長です。
確実なヘッドアタッチメント
アルミニウムダイカストフープと亜鉛ダイカストフープは、その製法により獲得した正確なエッジでヘッドをしっかりと固定します。この確実なヘッドアタッチメントがサウンドロスを押さえ、よりナチュラルな鳴りを引き出します。
ヴィンテージフープ
ヤマハ独自のヴィンテージフープは、メイプル材を19枚重ねた木製フープで、掛け金を使用することなく使用できるよう、形状にも工夫を凝らした特別なフープです。ドラム全体の特性を最大限に引き出し、パワフルなオープンリムショットから、スティックとフープの木材同士が作り出す絶妙なバランスのクローズドリムショットまで、スネアドラムが生む自然な音を損なうことはありません。
ベアリングエッジ
40年に渡る商品開発の経験から、木胴スネアドラムには4種類のベアリングエッジ形状を使い分けることで音色の幅を作りだしいます。一般的にベアリングエッジの角度が鋭角な場合、レスポンスに優れたシャープな音色を引き出し、鈍角なほど丸みのある太い音色を引き出します。さらに頂点のR(丸み)の大きさを変えることでこの特長をさらに変化させることが出来ます。
また、打面と裏面のベアリングエッジを異なる形状にする事で、さらに音色の変化を引き出す事が可能です。V、S、Lシリーズのスネアドラムには、楽器毎のコンセプトに合わせてこれら形状を使い分けています。
スネアベッド
スネアドラムの最大の特長であるスネア(響線)の利き具合に大きく影響するスネアベッドの深さも、スネアドラムの音色を作り出す上で重要なファクターです。標準的な1.8ミリ、スネアのセンシティビティをあげる2.7ミリ、さらに音色をドライにするためにスティーブガッドモデルで採用している3.5ミリの3種類の深さを用意しています。
木胴スネアシリーズでは、アブソルートシリーズ、V/S/Lシリーズ、MUSASHIシリーズ及びBSD1465NJR、BSD1455HNに2.7mmベッドを、MSD14ASG、BSD14ASGには3.5mmベッドを、その他全ての木胴スネアには1.8mmベッドを採用しています。
メタルスネアシリーズではスティーブガッドモデルSD255ASGのみ3.5mmベッドを、その他全てのメタルスネアには1.8mmベッドを採用しています。
ベントホール
ベントホールの数も音のヌケ具合に影響を与えます。ヤマハのスネアドラムでは求める音色に合わせてベントホールの数を調整しています。1つの標準としてSシリーズのように、よりスネアの反応を良くしたい場合は2個、Lシリーズのように音色を出しつつ歯切れを良くしたいい場合には9個といった具合です。
"ソニックフープ"レインフォースメント
古くはシェルの構造上の欠点を補うために用いられたレインフォースメントリングをヤマハスネアドラムでは音色の個性を出すために使用しています。ヤマハのレインフォースメントリング"ソニックフープ"は独創的で、シェル同様にエアシールシステムで成型された後、シェルの内側に丁寧に嵌め込まれています。独特の工法により強固な補強を行うことで、短めのサスティン、明るく伸びる倍音を生み出します。
(Vシリーズ及びスティーブ・ジョーダン、アンドレ・チェッカレリモデルに採用しています。)
ストレイナー
ヤマハスネアドラムのストレイナーは、スナッピーの正確な調節と最大限の耐久性を追求しています。演奏中にすばやく確かに操作できるよう作り上げられ、ドラムキーで簡単にスナッピーの交換ができます。またシェルとの接触面を極小化し、シェルの鳴りを極力妨げない工夫がほどこされています。
■2枚のスネアホールディングプレート(※1)
2枚のプレートでスネアコードを強力にはさみ保持します。(この機構はデッタッチャブルストレイナーシステムには採用されておりません。)
■ドラムキーによる締付け(※2)
調整ネジはドラムキーを使って締め付けます。ドライバーより簡単で、手早く調整できます。
■ホールディングプレート位置(※3)
Hタイプのストレイナーはシェルのよりスナッピーに近い位置に装着されていますので、スナッピーをヘッドに強く押し付ける効果があります。
■スムーズなレバー操作(※4)
すべてのヤマハストレイナーのレバーは、スムーズで簡単な操作でスナッピーをヘッドにしっかり張り、確実にロックすることができます。G、Hタイプのレバーは特に指先でスムーズに操作できるのが特長です。
■ミニマムコンタクト(※5)
シェルとの接触面を最小限にするよう、ストレイナーを設計しています。ストレイナーはLサイドRサイドとも、シェルに最小の面で接触しているため、シェル本体の鳴りを損ないません。
ブラス、カッパー、アルミニウムモデルに「デタッチャブルストレイナー」を装備※1
Lサイド(リリース)、Rサイド(バット)とも、ストレイナーのスナッピー取付け部が固定プレートごと簡単に脱着できるため、スナッピーコードをゆるめることなくそのまま取り外せます。ヘッド交換時にスナッピーコードやテープの長さを調節する煩わしさがなくなりました。また、固定プレートに予備のスナッピーを取付けて用意しておけば、万一スナッピーが切れた時にもすぐに交換できるのはもちろん、異なる種類のスナッピーに張り替えることで、曲に合わせた音色を選ぶことも可能となります。
(※1デタッチャブルストレイナーは深さ4スティールモデルのLサイドにも装備されています。)
ラグ
ラグはスプリングレス構造で、ラグナットでチューニングボルトを強力に固定するタイプ。スプリングレスのため、ノイズをしっかりシャットアウトします。PHXシリーズとAbsoluteシリーズに採用のフックラグと、ブラス・カッパーに採用のヌーヴォーラグは、シェル側のボルトにラグを引っ掛けることにより、ラグケースそのものはシェルと接することのないフローティング設計。また、ラグには特別のナイロンリングが装着されており、演奏中にテンションロッドがゆるむのを防ぎます。スモールラグは、シェルとの接触面を最小限にしており、シェル本来の鳴りを損ないません。テンションロッドゆるみ防止のナイロンリングも装備しています。ワンピースラグもまた、強い圧着力でシビアなチューニングに対応します。
スナッピー
ヤマハスネアドラムは、2つの異なったタイプのスナッピーを使っています。ステンレススティールとハイカーボンの2種類で、それぞれに独自の音の特性があります。スナッピーは丈夫なナイロンストリングやフィラメントテープでスネアプレートに巻かれ、ストレイナーの2枚のホールディングプレートに固定されます。
■スネアプレート
ヤマハスネアプレートはわずかな角度で曲げることによって、スナッピーを強くヘッドに押し付ける働きをします。ストリングがきつく引かれると、プレートのエッジが上に引っ張られ、スナッピーはより強くヘッドに接触します。
■強いスネアストリング
ナイロンストリングは、ナイロンブレードで覆われ、最大限のパワーと耐久性を誇ります。
スネアプレート
ヤマハスネアプレートはわずかな角度で曲げることによって、スナッピーを強くヘッドに押し付ける働きをします。ストリングがきつく引かれると、プレートのエッジが上に引っ張られ、スナッピーはより強くヘッドに接触します。
スネアドラムの選び方
シェルの種類
ウッドシェル
メイプル(日本名:カエデ)
厳選されたメイプルを使用しました。
豊かで温もりのあるサスティーンが特長です。ジャンルを超えて、世界中のドラマーに愛用されています。
バーチ(日本名:カバ)
光沢のある緻密な木目が特長で、硬く、加工性にも優れています。中低音の伸びの良さと、ソリッドでシャープな高音域が魅力。ヤマハシステムドラムの原点ともいえる「レコーディングカスタム」もバーチ材が採用されています。
オーク(日本名:ナラ)
高級家具や酒造用の熟成樽などにも使用されるオークは、美しい木目が特長です。形成が難しい硬質素材ですが、ヤマハ独自の技術により、オークシェルが実現しました。芯のしっかりとした力強いサウンドと、と、音ヌケの良さが魅力です。
メタルシェル
スティール
〔素材:鉄〕
シャープでソリッドな音と、ブラスよりやや長めのディケイが特長です。
アルミニウム
〔素材:アルミニウム〕
スティールより軽快で、明るく切れのある音質が特長です。
ブラス
〔素材:真鍮〕
豊かで幅があり、バランスのとれた鮮明な音が特長です。
カッパー
〔素材:銅〕
銅特有の重低音かつハイレスポンスなサウンドが特長です。
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